「またトマトなんですね」
「うん。だってトマトが二つパックで売られてたから。使い切らないと」
「……経済観念のしっかりした綱吉君もステキです」
「無理しないでいーから」
「む、無理なんて…っ」
「うんうん。さ、さっさと作ろうか」
「綱吉君……寂しいです」
「ハイハイ」
まるごとトマトのオーブン焼き(ツナ入り) ―――材料(1人分)
トマト中(1個)
ツナ缶(3分の1)
ブロッコリー(一口大を3つほど)
人参(小さな輪切り1,2個)
カリフラワー(一口大を2つほど)
アスパラガス(一口大を3つほど)
しお、こしょう
粗引つぶこしょう
モッツァレラチーズ(ひとかけ)
オリーブオイル
①トマトの上下を切り、中をくりぬく
「えーと。まずはトマトの用意から」
「今回も中身をくりぬくんですか?」
「うん。底を少し切って、転がらないようにして、上も一センチくらい切り取るんだって」
「一センチ? 随分切るんですね」
「蓋として使うみたい」
「では、切ったら中を?」
「うん。刳り貫く。中身食べてね、骸」
「……ハイ」
②オーブントースターで5分熱する
「用意ができたらトマトを加熱するんですね」
「うん。トマトの汁がでるからアルミで皿を作って、その上にトマト本体と蓋部分を並べて…」
「5分、ですね」
「そう。で、オーブンかけてる間に中身つくろ」
「ええ」
③野菜を炒める
「なんだか今日は平和に過ぎていますねぇ…」
「わざわざ変なこと言い出さなくていいからな、骸」
「変なことだなんてそんな! ところで綱吉君。野菜は…?」
「コレ」
「……冷凍食品ですか?」
「だってこの洋風野菜ミックスなら材料全部入ってるだろ?」
「まぁそうなんですけども……」
「フツーにブロッコリーとか全部用意したら材料多すぎるし」
「……生活の知恵ですね」
「なんだよ。イヤなの? 骸」
「いいえ! そんな!! 綱吉君の作ったものでしたら焦げたクッキーだっておいしく食べれます!!」
「…作んないから」
「ええっ! 放課後の甘酸っぱいプレゼントタイムとかないんですか!?」
「あるわけ無いだろっ(ごす)」
「イタっ! つ、綱吉君……(泣)」
「馬鹿なこと言ってないでさっさとフライパンで野菜塩茹でして」
「……ハイ」
「茹だったらお湯捨てて、水気がなくなるまでフライパンで転がして、オリーブオイルとしおこしょうで炒めててね」
「………ハイ」
④ツナに味付けをする
「んじゃ俺はツナに味付けしとくから……っていってもつぶこしょうかけてちょっと混ぜるか」
「綱吉君。野菜も炒め終わりましたよ」
「ありがと骸。あ、丁度トマトも焼けたみたい」
⑤トマトにツナ、野菜、チーズをつめる
「じゃ、トマトに具を詰めよう」
「どうやって入れていくんですか?」
「順番はツナ、チーズ、野菜、上にまたチーズだって」
「ではツナをどうぞ。火傷しないように気をつけてくださいね」
「うん……ツナを、底にしいて、上に少しだけ乗せて、と」
「野菜はどのように?」
「適当」
「……そうですか」
「チーズをのせやすいように薄く刻んでおいて」
「はい」
「ありがと。ん、いいかな」
⑥上部は取り出し、詰め物をしたトマトを5分ほど加熱する
「更に5分加熱ですね」
「うん。でもチーズの焼け具合によるから見てたほうがいいみたい」
「具材は既に火が通ってますもんね」
「うん、そう。あ、蓋はもうオーブンにかけなくていいみたいだから取り出さないと」
「はい、じゃあ出しておきますね」
⑦盛り付け
「おー。チーズとろっとろ!」
「おいしそうですね」
「うん! じゃあお皿にトマトを移して……」
「焼けて柔らかくなってますから気をつけないと崩れてしまいますね」
「うん……よし。あとは蓋をして周りに残った野菜を添えて…」
「お好みでドレッシングやオリーブオイルをかけてもいいんですね」
「うん。飾りにもなるし。おもてなし料理って感じだね」
「ええ」
実食
「焼いたトマトって意外とウマイ……」
「…ホントですか?」
「あ、もしかして骸苦手だったの?」
「トマトはサラダで食べるものでしょう…?」
「でも考えてみればさ、結構オムライスとかパスタとか作る時に加熱するじゃん?」
「それはかなり味付けしますし、原型はありませんからね」
「ふーん。じゃ、食べないの?」
「い、いえっ……食べます」
「もぐもぐ……あ」
「意外とイケルよね?」
「……ええ。本当に意外ですが」
「あと野菜もしおこしょうが程よくきいてるし。それにチーズがかかってチーズフォンデュみたいだよね!」
「ああ、そんな感じの味ですね……あ、綱吉君が出てきました
v」
「俺じゃないし」
「クフフ。最後に綱吉君が出てきてびっくりしますね」
「だから俺じゃないって……でも確かに、いろんな味が出てきて面白いかも」
「美味ですしね
v 特に綱吉君が
v」
「うん。前半は同意する」