のぎろぐ。

＜伊勢神宮に行ってきました＞
「伊勢神宮？　まさかアンタ…」
＜ち、違いますよ！？　ミラツアとしてではなく、純粋に御伊勢参りですっ！＞
「疑わしいな。めちゃくちゃ」
＜ちょっと祈願したいことがありまして。家族で行ってきました。お伊勢さんですからね。ご利益ありそうじゃないですか。行き帰りの道のりが長すぎて正直ぐったりですが＞
「長いってどれくらいかかってんだよ」
＜片道４時間くらい…ですかね。車で＞
「それって高速つかってか？」
＜もちろんです！　行ってお参りして、お昼だけ食べて即帰宅ですよ＞
「そりゃまた忙しいな」
＜はい……しかし、お伊勢さんの伊勢うどん？　はあまり好みじゃありませんでした＞
「伊勢うどんって茹で時間がなげーんだっけ？」
＜そうなんですよ。太くてぶよぶよな感じ？　私はコシがあるほうがいいです。讃岐が好き＞
「アンタ、食べるだけ食べといて」
＜自分の金じゃないですしね＞
「………酷ェな」
＜他にも濡れおかきと牛しぐれまんと豆腐ドーナツとあげまんを食べまして＞
「食いすぎだろ、ソレ」
＜ハイ。苦しくて帰りがつらかったです……＞
「自業自得だな」
＜うう＞

桑原水菜著『炎の蜃気楼』より