＜最寄の駅を降りて、本屋によって新刊チェックと立ち読みをして＞
「日課ですか」
＜いえ、最近あまり本屋いけてなくて……哀しいです＞
「本屋は立ち読みされると困るんじゃないですか」
＜だってー！！ でも立ち読みしても面白いと思ったら買いますよ？ 以前、十二国記も既刊全て立ち読みして、でも欲しくて買い揃えましたからね！＞
「なんの自慢にもなってません」
＜あう…＞
「で、本屋出た後はどうしたんですか」
＜帰ろうかと思いまして、駐輪場へ＞
「はい」
＜でも自転車のおいてあるトコロにいって、漸く気付きました＞
「……なにに」
＜今日は歩きで来てたことに＞
「………」
＜そういえば朝は雨だったんですよね……＞
「忘れますか、普通」
＜それでも忘れたんですもん！ 仕方ないじゃないですかぁ！＞
「………」
＜で、気を取り直して駐輪場を出て、駅の反対側にでて家に帰ろうと駅を突っ切り、いつの間にかホームに＞
「………は？」
＜駐輪場を出たらいつもはホームに向かって電車乗って会社に行くので、身体が勝手に向かっちゃったみたいです。…まぁよくあることですよね！！＞
「ありません」
＜………危うく午後九時過ぎに会社に出勤するところでしたよ＞
「いい加減バカすぎませんか？ 管理人」
＜………うわーん！！＞
ほったゆみ原作『ヒカルの碁』より
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