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サヨナラの空に彼女(ハル27)

 優しい時が過ぎるのは余りにも早くて、宝石のような日々は過去のものとなった。


 ツナさん、知ってますか?
 ハルには、ひとつだけ、誰にも負けないとっときのものがあるんですよ。
 ハルはそれを思うだけで、心がふわふわ~って軽くなって、きゅきゅーってときめいて、とおってもハッピーでスウィートで優しい気持ちになれるんです。
 だから、ハルのことは心配しないでください。
 今のハルは、ツナさんの足手まといになっちゃうって、ハル、わかってます。
 だから、今はついて行きません。
 でもでもっ、絶対に強くなって、絶対に絶対に後から追いかけます!!
 覚悟しててくださいね。
 ハルはツナさんがびっくりするくらいダイナマイトで清楚な知的美人になる予定ですから!
 だから、それまで、ハルはハルがやるべきことをします。
 あ、そうだ! ハル、イタリア語を習い始めたんですよ? 先生にも覚えがいいってよく褒められちゃいます。流石ハルですね!

 でもホントは、すっごく寂しいです。
 ツナさんに会えなくなるって考えるだけで、眠れなくなっちゃうくらい、胸がぎゅぎゅ~って苦しいです。
 ツナさんと、ずっと一緒にいたいです。
 だから、ツナさんの隣に早く立てるように、ハル、ずえったいに頑張ります!
 見ててくださいね!
 ハルの、ツナさんを想う気持ちは、世界最強です!!

 

「……はは、ハルらしいや」
 別れ際に渡された手紙が、手の上でかさりと音を立てる。
「寝ておけダメツナ。向こうに着いたら暫くは休むヒマもねーぞ」
「………うん」
 膝に散らばった、いくつかの封筒。
 それを全て開ける頃には、俺は何を思っているだろう。
 リクライニングチェアに背を預けて、目を閉じる。
 最後に見えた空はどこまでも青く透明に澄んで、まるでもう戻ることのない輝かしい日々の象徴のように、そこに在った。

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